和風ディスコなアニソンを聴いてみよう
この記事は、『楽曲オタク Advent Calendar 2019』22 日目の記事です。
はじめに
ブログ初投稿になります、ふろうとです。少し自己紹介をしますと、現在 IT 企業に勤めておりまして、超優秀なエンジニアにコードレビューしてもらったり、同期に楽曲オタクがいたりと刺激的な職場で楽しく過ごしています。
さて、今回の記事では今年夏にリリースされた楽曲『ひと夜ひと夜にひとりごと』をはじめとした和風ディスコなアニソンを取り上げたいと思います。個人的に好きなジャンルなので、音楽経験に乏しい素人なりに好みのポイントについて語っていきます。どうぞ宜しくお願いします。
曲紹介
取り上げるのは、和風ディスコなアニソンの代表格とも言えるこの 3 曲です。
- 『白金ディスコ』(テレビアニメ『偽物語』OP)
- 『あかいろリトルリーダー』(テレビアニメ『私に天使が舞い降りた!』キャラクターソング)
- 『ひと夜ひと夜にひとりごと』(テレビアニメ『Re:ステージ! ドリームデイズ♪』キャラクターソング)
『白金ディスコ』
タイトル | 白金ディスコ |
アーティスト | 阿良々木月火(CV: 井口裕香) |
作詞 | meg rock |
作曲 | 神前暁(MONACA) |
編曲 | 神前暁(MONACA) |
初出 | 2012-07-25 |
言わずと知れたアニソン界の名曲です。
アナログっぽいエフェクトをかけたりディスクのスクラッチ音を利用したりと、出だしから漂うディスコ感がたまりません。中でも最も特徴的なのがフエを使ったメロディです。篠笛・神楽笛と呼ばれる和楽器をイメージしたものだと思いますが、「和風ディスコっぽさ」を決定づけていると言えましょう。
また、一曲を通してメロディがメジャーペンタトニックスケールであることも重要なポイントです。これは「ド・レ・ミ・ソ・ラ」の五音で構成された音階のことで、第四音の「ファ」と第七音の「シ」が抜けていることからヨナ抜き音階とも呼ばれます。日本の童謡にも広く使われているため、和風な曲を演出するのに向いている音階です。ちなみに、和風ではないですがディスコ調アニソンとして名高い『ススメ・オトメ 〜jewel parade〜』という曲でもサビ頭がペンタトニックスケールになっている他、相対性理論の元メンバーである真部脩一さんはペンタトニックスケールを多用していたりします。
リズムに注目してみると、サビ前にアニソンらしいキメが入っている他、サビ後半の「プラチナうれしいのに」から始まる部分ではディスコの常套句とも言える 4 拍目に 2 回クラップを入れるフレーズが出てきます。全般として自然と体が動き出すような踊れるサウンドになっていると言えましょう。
そしてなにより歌詞が素晴らしいです。キラキラしたサウンドの上にちょっと切ない歌詞が載っているのがグッとくるポイントです。
プラチナ うれしいのに プラチナ せつなくなって
プラチナ なみだがでちゃうのは なんで? どして? ディスコティック
子供っぽさを感じさせる井口裕香さんの歌声も心地よく、キャラクターにマッチにした楽曲に仕上がっていると思います。
余談ですが個人的にはニコニコ動画に投稿された吉幾三 MAD が好きだったりします。絶妙な合いの手が入っていて聴いていて楽しいです。
『あかいろリトルリーダー』
タイトル | あかいろリトルリーダー |
アーティスト | 種村小依(CV: 大和田仁美) |
作詞 | 高木龍一 |
作曲 | 高木龍一 |
編曲 | 高木龍一 |
初出 | 2019-02-27 |
『私に天使が舞い降りた!』通称「わたてん」のキャラクターソングです。
四打ちドラムとオクターブ弾きのベースをバックにしたクリーンなギターのリフというディスコ・ファンク感ド直球な曲の出だしが良いですね。
『白金ディスコ』で既に挙げた笛のメロディやメジャーペンタトニックスケールはこの曲でも取り入れられている他、サビ前のキメも似ていたりと同曲から影響を受けている部分はあるのかなと推測しています。また、この曲ではサビを通して 4 拍目に 2 クラップが入っています。
個人的に D メロでは普通のメジャースケールになるのが結構好きです。
ボーカルは元気でキュートな印象で、失敗ばかりでも前向きでありたいというキャラクター像がよく出ていると思います。
この曲が収録されているキャラソンアルバム、『天使のうたごえ』は良い曲ばかりなので是非聴いてみてください。
『ひと夜ひと夜にひとりごと』
タイトル | ひと夜ひと夜にひとりごと |
アーティスト | 市杵島瑞葉(CV: 田澤茉純) |
作詞 | 高瀬愛虹 |
作曲 | 白戸佑輔 |
編曲 | 白戸佑輔 |
初出 | 2019-08-21 |
『Re:ステージ!』通称「リステ」のキャラクターソングです。
この曲も和風感を出すためにメジャーペンタトニックスケールを使っている点では共通していますが、ストリングスが入っているなどファンクの要素がかなり色濃く、既に紹介した 2 曲とは少し毛色が違うものになっています。
僕としては一番好きなタイプのサウンドで、すごくお気に入りの一曲です。ラスサビでリズムパターンがハイハット裏打ちになるのが好きです。
また、D メロにラップが入っているのがかなり独特です。作編曲担当の白戸佑輔さんはこのように話しています。
和風にラップはなぜか切なくなれるので、絶対入れようと思ってました。笑
— 白戸佑輔 (@sirato10) August 21, 2019
リリース当日は、フォロワーが減少していくのを眺めながら引用リツイート等やってます https://t.co/cojnlPyXuS
なるほど、確かに切なさの演出に一役買っている気がします。ブラックミュージック感を一層引き立てている部分でもあると思います。
『あかいろリトルリーダー』同様サビ全体を通して 4 拍目に 2 クラップの形式になっていてライブ映えする曲です。実際にライブでの披露を観させてもらいましたが、とても良かったです。その時はショートバージョンでの披露だったので、フルで観てみたいですね。
歌唱キャラクターである市杵島瑞葉ちゃんが所属するユニット「KiRaRe」の他のメンバーが歌うキャラクターソングも本当に素晴らしい曲ばかりなのでオススメです。
おわりに
今回の Advent Calendar は、僕のように企画に乗っかっりでもしないと記事を書かないような人間にはとても良い機会となりました。企画してくださったなまおじさん、ありがとうございました。
今後も好きな曲について語ったりしていきたいです。そのためにも楽理や楽器、ジャンルといった音楽知識をもっと蓄えていきたいですね。
明日の『楽曲オタク Advent Calendar 2019』23 日目の記事は GinCle さんの担当になります。約 2 万字の力作記事と聞いているので今から楽しみです。